アルコールのアセタール保護

一般にアセタール系保護基は塩基性や還元条件には強い耐性があり、酸性条件で脱保護される。

アセタール系保護基にも様々な種類があるが、ここではその中でもよく用いられる代表的な保護基を紹介する。

 

条件1 (MOM保護)

alcohol MOM protection

・アセタール系保護基の中でも特に頑丈で、強い酸性あるいは酸化条件でなければ耐える。

・基質と DIPEA のジクロロメタン溶液に 0 °C で MOMCl を添加、その後室温に昇温する。

・それほど速い反応ではないが、多くの場合は6時間程度で反応が完結する。

・MOMCl は水に弱く分解しやすいため、純度が不安なら当量を増やしておくと良い。

・反応は禁水条件で実施すること。

 

条件2 (THP保護)

・MOM ほど強い保護基ではなく、弱酸で脱保護できる。

・忘れやすいが新たに不斉点が生じることに注意。

・基質が酸に耐えられるのであれば、酸触媒としてより酸性が強い PTSA などを用いても良い。

 

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<参考文献>

・Green’s Protecting Groups in Organic Synthesis (5th Edition)

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