一般にアシル系保護基は酸性や酸化条件に対して耐性があり、塩基性や還元条件で脱保護される。
アセチル基が代表的だが、ピバロイル基やベンゾイル基もよく用いられる。
条件1
・一級および二級アルコールのアセチル化において非常によく用いられる条件。
・反応点まわりの立体障害により反応速度が大きく変わることも多い。
・低温で反応を実施すれば、二級アルコール存在下に一級アルコールのみを保護できる。
・5 mol%程度のDMAPを添加すると反応が大幅に加速され、三級アルコールも反応しうる。
・酸無水物の代わりにより反応性が高い酸塩化物を用いることもできる。
脱保護条件
・メタノールと炭酸カリウムからメトキシドが生じて脱保護が進行する (加溶媒分解反応)。
・原料のメタノール溶液に炭酸カリウムを加えるだけで良い (溶解しないが問題はない)。
・メタノールが大量に存在すると分液時の分離が悪くなる。塩化アンモニウム水溶液などで反応を停止させた後、エバポレーターでメタノールを除去してから分液すると楽になる。
<参考文献>
・Green’s Protecting Groups in Organic Synthesis (5th Edition)