シリル保護基には様々な種類があるがその中でも TBS がよく用いられている。
・酸に対する強さの目安:TMS < TES << TBS << TIPS << TBDPS
・塩基に対する強さの目安:TMS < TES << TBS, TBDPS < TIPS
条件1 (シリルクロリド)
・他のシリル基 (TMS, TES, TIPS, TBDPS etc.) も同様の条件で良い。
・シリルクロリドを 0 °C で最後に加える。しばらくしたら室温に戻す。
・一級、二級アルコールに適用可能。三級アルコールは反応しづらく、条件2を推奨。
・反応の進行が止まってしまった場合はイミダゾールとシリルクロリドを追加する。
・濃度はそれほど重要ではなく、反応のスケールなどに応じて適宜調整して構わない。
・反応終了後は純水を加えて hexane/EtOAc = 4:1 で抽出すると DMF が除けて楽になる。
条件2 (シリルトリフラート)
・他のシリル基 (TMS, TES, TBS etc.) も同様の条件で良い。
・シリルトリフラートを 0 °C で最後に加える。
・二級アルコール + かさ高いシリル基 (TIPS, TBDPS) あるいは三級アルコールに用いられる条件。
・この条件でも一般に三級アルコールを TIPS基や TBDPS基で保護するのは難しい。
・反応の進行が止まってしまった場合はルチジンとシリルトリフラートを追加する。
・条件1と同様に濃度はそれほど重要ではない。
脱保護条件
・他のシリル基 (TMS, TES, TIPS, TBDPS etc.) も同様の条件で良い。
・TBAF自体や脱保護で生じるアルコキシドのために反応系中は塩基性となる。原料が塩基性条件で不安定な場合は1.5当量程度の酢酸を添加すると良いが、反応は非常に遅くなる。
<参考文献>
・Green’s Protecting Groups in Organic Synthesis (5th Edition)