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交差アルドール反応は、異なる種類のカルボニル化合物同士で選択的に行うアルドール反応である。求電子剤(ドナー)となるカルボニル化合物のα-水素を、強塩基により先に脱プロトン化した後に、求核剤(アクセプター)となるカルボニル化合物を加えることで、古典的なアルドール反応では難しかった生成物の構造・立体的な制御を可能としている。
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交差アルドール反応は、異なる種類のカルボニル化合物同士で選択的に行うアルドール反応である。求電子剤(ドナー)となるカルボニル化合物のα-水素を、強塩基により先に脱プロトン化した後に、求核剤(アクセプター)となるカルボニル化合物を加えることで、古典的なアルドール反応では難しかった生成物の構造・立体的な制御を可能としている。
反応の概要
反応機構
演習問題1
4,4-ジメチルペンタン-2-オンに対してLDAを反応させた後、ベンズアルデヒドを加えた。六員環遷移状態を考えて、ジアステレオ選択性に注意しながら主生成物を示せ。なお、このケトンには複数の種類のプロトンが存在するが、脱プロトン化のされやすさには差がある。この理由について考察せよ。演習問題2
ホウ素エノラートは、ホウ素の置換基によってそのE/Z選択性を制御できる。しかし、基質によってもそのE/Z選択性は制御され得る。例えばこの反応では、どちらも同じホウ素試薬である9-BBN-OTfという化合物を用いているが、生成物のジアステレオ選択性は異なっている。この理由を、反応中間体であるホウ素エノラートのE/Zから考察せよ。演習問題3
交差アルドール反応では、求核剤となるカルボニル化合物に強塩基を加えて、先にエノラートを形成することで副反応を抑制している。しかし、pKaに差がある化合物では、いくら先にエノラートを形成させたとしても、酸塩基反応によって本来求電子剤となるカルボニル化合物が脱プロトン化されてしまう可能性がある。関連記事
外部リンク